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瑞江の動物病院 みずえ動物病院

病気と予防について

消化器症状

 「嘔吐」と「下痢」
日常的によく見る症状、「嘔吐」「下痢」についてのお話です。

病気の名前ではありません。
様々な病気の症状に「嘔吐」「下痢」があります。
すぐに落ち着くこともあれば、生命に関わることもあります。
腸の異常から起こると思われがちですが、その他の臓器の異常やアレルギーによって二次的に起こることもあります。
そのため、良くならないものについては、全身的な検査が必要になります。
特に以下のような場合は要注意です!!

・嘔吐下痢の回数が多く、元気がない場合。
・食欲不振や体重減少など、他の症状を伴う場合。
・嘔吐・下痢(軟便でも!)がずっと続く、良くなったり悪くなったりを繰り返す場合(3週間以上)。
・週に1回以上のペースで吐く(たとえ毛玉だとしても)場合。
・お薬で治らない、やめると繰り返す場合。

  • ➀問診

    飼い主様に詳しくお話を伺います。
    病院では症状が出ないことも多いので、とっても大切です。
    ○嘔吐下痢の様子は?(回数、量、色など)
    → 原因のある場所(食道、胃、小腸、大腸?それとも?)を推測します。
    ○その他の症状は?
    → 元気消失、食欲不振、体重減少などがないか
  • ➁身体検査

    実際にワンちゃんネコちゃんの身体を見て触って、全身状態を確認します。
  • ➂治療

    軽症の場合は、対症療法を行い、反応を見る場合があります。
ここまでが、「嘔吐」「下痢」で来院された場合の一般的な治療内容です。
症状の程度に応じて、または治療に反応しない場合は以下の検査に進みます。

  • ➃糞便検査

    良くならない消化器症状の場合、たとえ「嘔吐」でも糞便検査が役に立ちます。
    糞便の色や下痢の程度を確認し、顕微鏡を使って、細菌、寄生虫、消化具合、異物などを確認します。
    一度では検出できない寄生虫もあり、数回の検査が必要になることもあります。
    糞便を使用し、病原菌の遺伝子検査を行うこともあります。
    糞便の採り方
  • ➄血液検査

    慢性例、重症例、治療に反応しない場合、他の疾患が疑われる場合に行います。
    消化管の異常を示す血液検査の項目はありませんが、他の臓器の異常が原因かどうか、絞り込むことが出来ます。
    また、二次的に起こる、脱水や貧血など、全身状態を把握することが出来ます。
  • ➅レントゲン検査

    消化管とその他の臓器の形、大きさ、位置などを確認します。
    異常なしこりや、レントゲンには写らない異物などもあります。
    バリウム検査などが必要になることもあります。
  • ➆超音波検査

    レントゲンでは見えない、臓器の内部の様子を見ます。
    動いている臓器をリアルタイムで観察することが出来ます。
  • ➇病理検査

    慢性嘔吐、下痢の原因の中には、組織生検、病理検査が必要な場合もあります。
    確定診断を付けた上で、より積極的な治療に進みます。
    当院では、病状に合わせて、内視鏡生検または、開腹下生検を提案します。

「嘔吐」「下痢」はよくある症状ですが、
動物もご家族も疲れてしまう症状だと思います。
中には、なかなか治らない病気や、生命に関わる病気が隠れていることもあります。
また、これをやればすぐに原因がわかるという検査が存在しないため、
原因究明までに時間がかかることも少なくありません。
「嘔吐」「下痢」が多いなと思ったら、早めに診察にいらして下さい。

当院では、消化器疾患の診療に力を入れています。
ご心配なことがありましたら、ご相談下さい。

<糞便の採り方>

水分が吸収されてしまわないよう、ビニール袋やサランラップなどに包んでから、袋に入れて持ってきてください。
特に下痢便や色のおかしいところを持ってきて下さい。半日以内のものが理想です。
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